PEラインってどんなラインなの?
PEラインとは、ポリエチレンラインの略称です。
ラインの種類はナイロン・フロロカーボン・エステルなど今はいろいろありますけど、PEラインはその中でもかなり特殊な性質を持っています。
PEラインの特徴を理解して使いこなせば、今までより釣果を伸ばすことができるでしょう。
PEラインの特徴とメリット・デメリット
引っ張り強度が強い
PEラインは引っ張り強度が他のラインと比べてもダントツに強い糸です。
単純になかなか切れないってことですね。
たとえば、PEラインの1号ではおよそ20lb(9.1kg)の直線強度があります。
同じ1号でもフロロやナイロンラインでは4lb(1.8kg)なので、およそ5倍の強度があることになります。
PEラインの太さ(号数)・強度・直径の一覧
号数 | 強度(lb) | (kg) | 直径(mm) |
0.4 | 8 | 3.6 | 0.108 |
0.6 | 12 | 5.4 | 0.132 |
0.8 | 16 | 7.3 | 0.153 |
1 | 20 | 9.1 | 0.171 |
1.5 | 30 | 13.6 | 0.209 |
2 | 40 | 18.1 | 0.242 |
3 | 55 | 25.0 | 0.296 |
4 | 60 | 27.2 | 0.342 |
メリット:細い号数で強い強度がある
強度が高いので細いラインでも強くなります。
スピニングでもベイトリールでも、もっと強度は欲しいけどこれ以上ラインを太くできないというときはPEラインがおすすめです。
たとえば、スピニングで1号のPEラインを使ってカバーを攻める釣り方、いわゆるパワーフィネスのような使い方もできます。
また、ベイトタックルに2号・3号(40lb・50lb)のPEラインを巻いて、濃いウィードエリアやベジテーションからバスを強引に引きずり出すようなパンチングもできます。
僕はオープンウォーターをライトリグで攻めるときもPEラインを使うんですが、そのときは0.4号を選択しています。
初心者の方や、スピニングでの遠投・パワーフィネスなど幅広い釣り方に対応させるなら0.8号のPEラインもおすすめです。
デメリット:リールやロッド破損の原因になりやすい
PEラインは引っ張り強度が強すぎることによって、ロッドにラインが絡まったとき状態で気づかないままキャストしたりするとガイドがとれたり、最悪ロッドが折れる可能性もあります。
また、ドラグをがっちり締めたフルロック状態で思いっきりフッキングするとロッドが折れたり、リールのギアが痛む可能性もあります。
PEラインを使うときはドラグ調整やタックルバランスを見ながらセッティングしてください。
他にも、タックルを準備している途中にPEラインをどこかに引っ掛けてしまって、気づかずに折ってしまうケースも少なくありません。
伸びない
PEラインはナイロンやフロロカーボンのような伸縮性がほとんどありません。
ちょうどタコ糸や刺繍糸のような感じになっているので、伸びたりすることがないんです。
メリット:遠投してもしっかりフッキングできる
この伸びのなさを利用すると、遠投して距離があるところでもきちんとフッキングできます。
ナイロン、フロロは伸びるため、しっかりフッキングしているつもりでも、ラインが伸びることによって力が伝わりにくくなります。
メリット:感度がいい
PEラインは釣り糸の中でもかなり感度がいいラインです。
遠投した先、ディープでの釣りでもボトムの質やバイトを明確に感じ取ることができます。
ただし、PEラインはコシがないのでラインをたるませると感度が急激に悪くなります。
他のラインはハリがあるのでラインをたるませ気味でも振動が伝わって来るんですが、PEラインはピンと張った状態でないと振動を伝えられないからです。
なので、感度が良いのはラインを張った状態のときのみです。
ちなみに、伸びがないから感度がいいというのは正確に言うと間違いなんですけどね。
PEラインは感度もいいんですが、「伸びがない=感度がいい」というわけではありません。
このあたりの説明をすると長くなってしまうので割愛しますが、とりあえずPEラインの高感度はかなりのメリットになります。
デメリット:バイトを弾いたりアワセ切れしやすい
近距離ではタメが効かないこともあり、バイトを弾きやすいデメリットもあります。
巻物をするときは、ロッドのテーパーはミディアム〜スローがおすすめです。
また、巻きアワセではなく、ロッドのストロークを使ったフッキングをするときに、思いっきりフッキングするとアワセ切れすることもあります。
伸びがないので瞬間的な力を逃がすことができずにラインブレイクしてしまうんです。
タックルセッティングやリーダーを長めにとるなどして調整しましょう。
リーダーにはどれぐらいの太さのラインがいいのか、どれぐらいリーダーの長さを取ればいいのかはこちらのページにまとめてあります。
比重が軽い
PEはラインの中でもゆいいつ水よりも比重が軽いです。
他のラインはすべて水よりも比重が重くなっています。
メリット:トップウォーター・虫系ルアーが操作しやすい
水面に浮く、PEラインは比重が水よりも軽いため、水面に浮く性質があります。
そのため、水面に浮いてなおかつ伸びがないので、トップウォーターや虫系ルアーが操作しやすくなります。
水面にラインが浮くといっても、水中に潜るルアーが使えないこともありません。
遠投しやすい
PEラインは軽くて細いラインなので、ナイロン・フロロよりも遠投に向いています。
軽いルアーでも遠くに飛ばすことができるし、ヘビキャロをするときにもおすすめです。
デメリット:風に弱い
PEラインは水よりも比重が軽いため、風に流されやすいというデメリットがあります。
風が強いときはキャストすると勝手に糸ふけが出てしまいます。
糸ふけがよけいに出るため、自分が思ったところにキャストできない、ルアーのトレースラインが曲がる、感度が悪くなったり、アタリがとりにくくなるというデメリットがあります。
編み糸で不透明
PEラインは他の糸のようにモノフィラメント(1本の繊維)ではなく、マルチフィラメント(編み糸)で、不透明なラインです。
メリット:ラインの視認性が良い
視認性が良く、どこにラインがあるのかわかりやすいです。
そのため、ラインの動きが良く見え、ルアーがボトムについたときや、バスがルアーを加えて移動するとラインの動きがよくわかります。
ちなみに、人からよく見えるラインが必ずしも魚からもよく見えるラインであるとはかぎりません。
ラインの色と魚との関係についてはこちらにまとめておきました。
デメリット:根ズレに弱い
PEラインは他のラインと比べても根ズレにものすごく弱いというデメリットがあります。
引っ張り強度は強いんですが、岩などにこすれると簡単に切れてしまいます。
根ズレに弱いデメリットを補うためにリーダーを結ぶ必要があります。
リーダーとはPEラインとルアーとの間にフロロやナイロンで結ぶラインのことです。
こうすることでPEラインの特性を活かしたまま、根ズレに弱いデメリットを補うことができます。
ちなみに、結束強度もフロロ・ナイロンよりも弱いので、リーダーを結んで補強する効果があります。
PEラインとリーダーの結び方についてはこちらを参考にしてください。
ハリ・コシがない
PEラインは他のラインのようにハリやコシがありません。
ナイロン・フロロラインはある程度の硬さがあります。
PEラインはちょうどタコ糸や縫い糸のようにふにゃふにゃで柔らかいラインになっています。
メリット:ラインにクセがつきにくい
PEラインはハリ・コシがないラインなので、太い号数でも巻きグセがつかないというメリットがあります。
ナイロンやフロロだと、リールに巻いた巻きグセがついてしまいます。
これは太いラインであればあるほど、巻きグセも強くなります。
また、ハリがないのでカバーの中へタイトにルアーを落とし込むことができます。
重いシンカーを使ってベジテーションにルアーを送り込むパンチングにPEラインを使うのは理にかなっているラインです。
デメリット:ルアーやリールにからまりやすい
ライントラブルが起きやすいのは大きなデメリットです。
PEラインはハリとコシがないので、一度絡まるとほどきにくい性質があります。
ラインテンションをかけながら巻かないと糸フケがそのままリールに巻かれていってしまいます。(この状態をゴップというらしいです)
とくにスピニングでのバックラッシュが起きやすくなるので、ライントラブルを防ぐタックルセッティング・キャスティング・リーリング・竿さばきが必要になります。
ライントラブルを防ぐ方法
- PEラインをリールにきつめのテンションをかけて巻きつける
- リールにテーパーをつけて巻く
- キャスト時にサミング(フェザリング)する
- テンションをかけてリーリングする
その他のメリット
劣化しないので長く使える
PEラインは劣化しにくい糸です。
他のラインと比べても吸水しにくく、紫外線での劣化もしません。
そのため、他の糸と比べて、何度も巻き替えしなくてOKです。
ラインそのものの値段は高いんですが、それでも他の糸よりも巻き替えなくていいので、結果的にはコスパのいいラインになっています。
ある程度使い込んだら裏と表を巻き返すことによってさらに長持ちさせることができます。
だいたいですが、1年使い込んだら裏と表を巻き返すといいかと思います。
ラインの種類と比較
ラインの種類 | PE | フロロカーボン | ナイロン | エステル |
感度 | ラインを張ればとてもいい | いい | やや悪い | かなりいい |
水に対して | 浮く | 沈む | やや沈む | やや沈む |
伸び | ほぼ伸びない | 伸びにくい | 伸びやすい | ほぼ伸びない |
根ズレに対して | 弱い | 強い | ちょっと弱い | 普通 |
劣化スピード | かなり遅い | やや早い | 早い | 遅い |
しなやかさ | コシがない | やや固い | しなやか | かなり固い |
価格 | 高い | 普通 | 安い | 普通 |
巻き替え目安 | 半年〜1年裏返しありで1年〜2年 | 釣行5〜10回、3ヶ月まで | 釣行1〜3回 | 半年、裏返しありで1年 |
ラインの種類とそれぞれの特徴をまとめておきました。
それぞれのラインの特徴を見ながら、自分がしたい釣り方に合ったラインを選びましょう。
ベイトとスピニングに使うPEラインの太さ・号数についてはこちらのページを参考にしてみてくださいね。
おすすめのPEライン
最後に、おすすめのPEラインを紹介しておきますね。
僕はこの3つをおすすめしているんですが、簡単にそれぞれの特徴をまとめておきました。
各ラインのことをもっと詳しく知りたい場合は、こちらのページを参考にしてみてくださいね。
1位:YGKよつあみ「G-soul X8 Upgrade PE」
このライン最大の特徴は、ライントラブルが少ないことです。
バス釣りは投げる回数が多いので、とにかくライントラブルが少ないほうが釣りに集中できます。
せっかく釣りしたいのにライントラブルになるとイライラして台無しになってしまいますからね。
ちなみに、PEラインはAmazonが一番安く、送料無料で買えるのでおすすめです。
ラインは釣具屋で買うと値引率が低いのでむしろ損してしまいますよ。
2位:YGKよつあみ「G-soul オードラゴン」
次におすすめなのが、これもよつあみのG-SOULオードラゴンです。
このPEラインの特徴は比重が水よりも重いことです。
PEラインは水よりも比重が軽いのが普通なんですが、特殊な加工がしてあって水よりも重くしてあります。
そのため、水馴染みが非常に良くなっています。
トップウォーター以外にも他のルアーをいろいろ使いたいときにおすすめです。
3位:サンライン「スーパーブレイド5」
最後におすすめするのがサンラインのブレイド5です。
このラインはとにかくコスパ抜群で、200m巻で1200円〜1700円くらいで売っています。
さっきも言ったように、ラインはAmazonで買うのが一番安いですからね。
最近のAmazonは釣具の品ぞろえも豊富になってきていて、釣具店で売っていないラインを買うこともできます。
この価格で買えるPEラインの中ではかなり扱いやすいほうだと思います。